
グラフィックボードの性能を最大限に発揮させるには、正しい補助電源の接続が欠かせません。
とくに最近の高性能グラボでは、PCI Expressスロットだけでは電力が足りず、補助電源の接続が必要不可欠です。
しかし「グラボ補助電源つなぎ方」がよく分からないまま接続してしまうと、起動しない、ショートする、発熱するといったトラブルにつながることもあります。
この記事では、グラボ補助電源の差し込み位置や、6ピン2つ・8ピン2つなどの構成に応じた安全な接続方法を解説します。
また、グラボ補助電源6+2の付け方や、グラボ補助電源8ピンケーブルの種類の違い、さらにはグラボ補助電源二股どっちに挿すべきかといった、初心者がつまづきやすいポイントにも丁寧に触れています。
配線ミスを防ぎ、安全に電力を供給することで、あなたのPC環境がより安定し、グラフィック性能を最大限に活かせるようになります。
本記事を読めば、初心者でも迷わずグラボ補助電源を正しくつなげるようになり、トラブルなくパーツ本来の性能を引き出せるようになります。
この記事のポイント
- グラボ補助電源の差し込み位置と接続ミスの危険性
- ピンの種類(6ピン・8ピン・6+2ピン・16ピン)の違いと用途
- 二股ケーブルやPCIeケーブルの正しい使い方
- 高性能グラボに必要な電源容量と安全な接続方法
グラボ補助電源のつなぎ方を初心者にもわかりやすく解説!
グラボ補助電源はどこに挿す?差し込み位置を確認しよう

補助電源はグラボの上部や側面にあり、対応したピン数で正確に接続する必要があります。接続ミスは故障の原因になるため、差し込み位置を事前に確認しましょう。
グラフィックボード(グラボ)に補助電源をつなぐとき、どこに挿せばいいのかは最初に確認すべき大切なポイントです。
というのも、補助電源の差し込み位置を誤ると、電源が供給されずグラボが正常に動作しなかったり、最悪の場合ショートするリスクすらあるからです。
一般的に、補助電源の差し込み口はグラボの上部または側面にあります。
最近のグラボは省電力モデル以外では、PCI Expressスロットからの電力だけでは足りないため、6ピンや8ピン、またはその複合である6+2ピンの補助電源コネクタを使って追加の電力を供給する必要があります。
まずは、お使いのグラフィックボードをよく観察してください。補助電源の差し込み口は、黒色のプラスチック製で、ピンの数に応じた形状をしています。
ピン数に合わないケーブルを無理に差し込もうとすると、端子が破損する恐れがあります。
必ず「6ピンには6ピン」、「8ピンには8ピン」、または「6+2ピンで8ピンに対応」といった形で正しく接続しましょう。
また、補助電源コネクタはグラボの端にあるため、PCケースの大きさや配線の取り回しによっては、ケーブルの差し込みが難しいこともあります。
その場合は、延長ケーブルや曲がりやすいタイプのスリーブケーブルを使うことで、より安全かつスムーズに接続できます。
このように、補助電源の差し込み口の確認は、グラボを安全に動作させるための第一歩です。
マザーボードに挿すだけで安心してはいけません。しっかりと電力供給を確保してこそ、グラボ本来の性能を発揮できます。
補助電源ケーブルの種類と役割をしっかり把握しよう
補助電源ケーブルには6ピン・8ピン・6+2ピン・16ピンなどがあり、供給電力が異なります。グラボに適したケーブルを選び、過不足のない電力供給が重要です。
グラボの性能を最大限に発揮させるためには、正しい補助電源ケーブルの理解が欠かせません。
グラフィックボードに使用される補助電源ケーブルには主に「6ピン」「8ピン」「6+2ピン」の3種類があります。
それぞれのピン数によって供給できる電力が異なるため、グラボの要求する電力に応じて適切なものを使う必要があります。
例えば、6ピンのケーブルは最大75Wの電力を供給できます。
一方、8ピンは最大150Wまで対応可能です。
そして6+2ピンタイプは、グラボによって6ピンとしても8ピンとしても使用できるようになっており、汎用性が高いのが特徴です。
最近では、ハイエンドGPU向けに16ピン(12+4ピン)の「12VHPWR」という新しい規格も登場しています。
詳細は PCI-SIG公式の12VHPWRコネクタ仕様 を参照
このタイプは最大600Wまで対応しており、RTX 40シリーズなど最新のグラボに採用されています。ただし、対応していない電源ユニットもあるため注意が必要です。
これらの補助電源ケーブルは、PCの電源ユニット(PSU)から直接出ているもの、またはモジュラータイプで必要な本数だけ接続する形式に分かれます。
モジュラー式の場合は、使わないケーブルを省略できるため、配線がすっきりします。
このように、補助電源ケーブルには複数の種類があり、それぞれに異なる役割があります。
自分のグラボと電源に合ったケーブルを選ぶことで、安全かつ効率よく電力を供給できます。
適切なケーブルをお探しの場合は、以下の商品が参考になります。
PCIe電源ケーブルの正しいつなぎ方とは?

PCIe電源ケーブルは電源ユニットの指定端子からグラボの補助電源端子に正しく接続します。分岐ケーブルや6+2ピンの扱いにも注意が必要です。
グラボに補助電源を供給するには、PCIe(PCI Express)電源ケーブルを正しく接続する必要があります。
まず前提として、グラボに必要な電力はPCI Expressスロットだけでは賄えないことが多いため、別途補助電源が必要になります。その補助電源に使われるのがPCIe電源ケーブルです。
PCIe電源ケーブルは、電源ユニットからグラフィックボードに直接接続します。
種類は先述の通り6ピン・8ピン・6+2ピン・16ピンなどがありますが、特に重要なのは「どこからどこへ、どう接続するか」を正確に理解することです。
多くの電源ユニットは「VGA」や「PCIe」と書かれた出力端子があり、そこにPCIe電源ケーブルを差し込みます。そしてその反対側をグラボ側の補助電源コネクタに接続します。
ここで注意したいのが、「二股ケーブル」や「分岐タイプ」の使い方です。1本のPCIeケーブルから2つの8ピンを出しているタイプがありますが、これをハイエンドグラボに2本分として使うのは推奨されません。
1本のケーブルで2系統の電力を補うと、供給が不安定になる可能性があるからです。
また、6+2ピンのケーブルを使用する際は、必ず「2ピン」をしっかり接続してからグラボに差し込むようにしましょう。2ピンを浮かせたままだと、8ピン接続にならず十分な電力が供給されません。
このように、PCIe電源ケーブルの接続は一見単純に見えて、実はミスをしやすいポイントが多くあります。
正しく接続することで、トラブルを防ぎ、グラボの性能を安定して引き出すことができます。
補助電源6+2ピンの付け方!8ピンにも6ピンにも対応可能
6+2ピンケーブルは、6ピンにも8ピンにも対応可能です。2ピンを合体させてから正しく接続すれば、安全に電力供給できます。
6+2ピンの補助電源ケーブルは、グラボの電力要件に柔軟に対応できる便利なケーブルです。
このケーブルの最大の特徴は、6ピン部分と2ピン部分が分離していることです。
状況に応じて6ピンだけを使ったり、2ピンを加えて8ピンとして使用したりできる構造になっています。
グラボ側の端子が6ピンであれば、2ピン部分を分離して6ピンのみを接続します。
逆に8ピン端子であれば、2ピンを6ピンの端にくっつける形で合体させてから接続します。
どちらの場合も、ピンの形状は差し込み口にぴったり合うよう設計されているため、無理に力を入れる必要はありません。
軽く押し込むだけでカチッとハマる構造になっています。
ただし、接続時に2ピンをしっかり合体させずに中途半端な状態で挿すと、端子が浮いてしまい、接触不良を起こすおそれがあります。
また、グラボによっては8ピン端子が2つ、あるいは3つ必要なモデルもあるため、電源ユニット側の出力数やワット数にも注意してください。
最近ではハイエンドグラボに16ピンの補助電源端子が搭載されるケースも増えてきましたが、6+2ピンは依然として多くのグラボで使われており、特にRTX 3000番台以前のモデルやミドルレンジモデルでは一般的です。
このように、6+2ピンのケーブルは柔軟性が高く、1本で6ピンにも8ピンにも対応可能な便利なケーブルです。正しい接続方法を知っておくことで、トラブルなく安定した動作を実現できます。
二股ケーブルはどっちに挿す?迷わない選び方

二股ケーブルはどちらの端子でも使用可能ですが、電力の安定供給のためにはグラボにはできるだけ別々のケーブルを使うのが安全です。分岐ケーブルはミドルレンジ以下の構成に向いています。
補助電源ケーブルに「二股タイプ(分岐ケーブル)」が使われていると、どちらの端子を使えばいいのか迷ってしまう方も多いかもしれません。
二股ケーブルとは、1本のPCIe電源ケーブルが途中で2本に分かれているタイプを指します。
これにより、電源ユニット側の端子数が少なくても、2つの補助電源を取れるようになっています。
ただし、どちらに挿しても基本的に機能面では違いはありません。内部構造は同じで、片方が「メイン」でもう片方が「サブ」というわけではないため、どちらをグラボに挿しても問題なく使えます。
しかし実際の運用では「使う位置」に注意が必要です。
たとえば、グラボが8ピン×2構成だった場合、1本の二股ケーブルから2本分をまかなうのは避けるべきです。
なぜなら、1本のケーブルで大量の電力を同時に供給することになり、過電流や発熱のリスクが高まるからです。
このため、電源ユニットに十分な端子がある場合は、2本の独立したPCIeケーブルをそれぞれの補助電源端子に接続するのが理想的です。
二股ケーブルは、ミドルクラス以下のグラボや6ピン1本で足りるような構成で使用するのが無難です。
また、二股ケーブルの長さや分岐位置によって、PCケース内での配線が不格好になったり、干渉の原因になったりすることもあるため、どちらの端子を使うかは見た目や配線のしやすさで選ぶのも一つの手です。
このように、どちらに挿しても動作上の違いはありませんが、電力供給の安定性や安全性を考慮したうえでの使い分けが大切です。
グラボ補助電源のつなぎ方でよくあるトラブルと対策
グラボ補助電源6ピンが2つ必要なときの注意点とは?

6ピンが2つ必要な場合は、必ず2本の独立したPCIeケーブルを使い、発熱や電源不足を避けるのが安全です。接続ミスにも注意が必要です。
グラフィックボードに6ピンの補助電源が2つ必要な場合、接続方法を間違えると電源不足やパーツの故障につながるリスクがあります。
まず前提として、6ピン補助電源は最大で約75Wの電力を供給できます。
そのため、6ピン端子が2つ必要ということは、合計で最大150Wの追加電力を必要としているミドル〜ハイレンジのグラフィックボードである可能性が高いです。
このときに最も重要なのは、「1本の二股ケーブルで2つの端子を接続しない」ことです。
一見すると便利に見える二股ケーブルですが、1本のPCIeケーブルから2つの端子に給電すると、1本あたりに流れる電流量が増えて発熱しやすくなり、電源ユニットやケーブル、グラボの寿命を縮める原因となります。
理想的には、電源ユニット側にPCIeケーブルを2本用意し、それぞれを独立して6ピン端子に接続する方法が最も安全です。
また、6+2ピンケーブルを使って6ピンとして運用する場合も、2ピン部分を外して6ピン部分だけを使えば問題ありません。
さらに、ケーブルの差し込みが甘くなると、通電が不安定になり、動作中に電源が落ちたり、起動時にエラーが出たりすることもあるため、接続後には必ず「カチッ」と音がしているか確認しましょう。
このように、6ピンが2つ必要なグラボでは、電源供給の安定性を優先し、独立したケーブルを使用しながら、しっかりとした接続確認を行うことが大切です。
グラボ補助電源8ピン2つ接続する際に気をつけること
8ピンが2つ必要な場合は、2本の独立したPCIeケーブルでそれぞれ接続し、電源容量にも注意する必要があります。安全性と安定性の確保が最優先です。
グラボに8ピン補助電源が2つ必要な場合、それは高性能なGPUであり、大量の電力供給が求められる構成であることを意味します。
このようなグラボでは、最大で約300W以上の補助電力を必要とするケースもあり、適切な接続をしなければ電源ユニットやケーブルが過負荷になりかねません。
特に注意したいのが、1本の二股ケーブルで8ピン×2に接続してしまうことです。
二股ケーブルはケーブル1本分の容量しか持っていないため、2つの端子を1本から取ってしまうと、合計電力がケーブルの限界を超えてしまう恐れがあります。
これにより、発熱や火災リスク、グラボのパフォーマンス低下を招く可能性があります。
そのため、電源ユニットからは2本の独立したPCIe 8ピンケーブルをそれぞれ使用し、1つずつ別々にグラボの8ピン端子に接続してください。
また、6+2ピンを使う場合は、2ピン部分を確実に合体させ、しっかり奥まで差し込むようにしましょう。中途半端な接続状態では通電不良が起きやすくなります。
あわせて、電源ユニットの出力ワット数も確認が必要です。
グラボだけで300W近い消費電力がある場合、システム全体で650W〜850W以上の電源が求められることもあります。
電源容量が不足すると、グラボが動作しない、ブラックアウトする、起動後すぐに落ちるといった症状が出るため注意してください。
つまり、8ピン×2接続が必要な場合は、ケーブルの使い方と電源容量の両方に目を向ける必要があります。
グラボ補助電源8ピンケーブルの種類と見分け方に注意!

8ピンケーブルにはCPU用(EPS)とグラボ用(PCIe)があり、見分けを間違えると重大なトラブルを招きます。表示や構造を確認し、用途に合ったものを正しく使うことが重要です。
グラボに使用する8ピンの補助電源ケーブルには複数の種類があり、見た目が似ていても用途や仕様が異なる場合があります。
誤って不適切なケーブルを使用すると、最悪の場合グラフィックボードや電源ユニットの故障につながるため注意が必要です。
まず「8ピンケーブル」と呼ばれるものには大きく分けて2種類存在します。
ひとつは「EPS(CPU用)8ピンケーブル」、もうひとつは「PCIe(グラボ用)8ピンケーブル」です。
これらはコネクタの形状が似ており、無理やり差し込むことも物理的には可能ですが、内部の配線と電圧が異なります。
EPSケーブルはマザーボード上のCPU補助電源用で、12Vを安定して供給するためのものです。
一方で、PCIeケーブルはグラフィックボードに電力を供給するための設計となっており、使用するピンや電流の流れ方が違います。
このような違いを見分けるには、電源ユニット側のラベルや説明書を確認するのが確実です。
また、多くのモジュラー電源では、PCIe用コネクタには「PCIe」と明記されていたり、赤や黒など色分けされていることもあります。
さらに、6+2ピンのタイプも多く流通しており、これを組み合わせることで8ピンとして使用できます。
2ピン部分は取り外し可能で、使用しない場合は切り離しておけば6ピンとしても使える便利な設計です。
ただし、いくら対応しているとはいえ、ケーブルの品質にも目を向ける必要があります。
細い線材や劣化したケーブルを使用すると、長時間の負荷で発熱しやすくなります。購入時には、メーカーの保証がある高品質なケーブルを選ぶのが安心です。
グラボ補助電源8ピンが3つ必要なハイエンド構成は危険?

8ピンが3つ必要な構成は非常に高性能ですが、それだけに電源容量と接続方法に細心の注意が必要です。独立ケーブル3本での接続と、高品質な電源ユニットが安全運用のカギとなります。
グラフィックボードに8ピン補助電源が3つ必要とされている場合、それは非常に高性能なハイエンドモデルであり、同時に高い電力消費を意味します。
このような構成は、一歩間違えると電源ユニットやケーブルの負担が大きくなり、安全性に影響を及ぼす可能性があります。
特に、電源容量が不足していたり、ケーブルが1本の二股タイプで接続されていた場合、過電流や発熱、さらには電源シャットダウンといったリスクが高まります。
また、8ピン3つという仕様は、グラボ単体で300W〜400W以上の消費電力を想定していることが多く、全体のシステムとしては800W〜1000W級の電源ユニットが必要です。
それに加えて、CPUやストレージなどの他パーツにも電力を供給しなければならないため、余裕のある電源選びが欠かせません。
ケーブルに関しても、モジュラータイプの電源を使用し、PCIeケーブルを必ず3本別々に接続することが推奨されます。
ケーブル1本から複数の補助電源に接続する方法は、どうしても避けるべきです。電流が1本に集中してしまい、ケーブルの発熱や火災の原因になるためです。
さらに、電源ユニットそのものの品質にも注目しましょう。
80 PLUS GOLD以上の認証を受けた信頼性の高いモデルであれば、負荷がかかっても安定して電力を供給できます。
このような構成は、自作PCにある程度の知識がある中級者〜上級者向けのセットアップです。
初心者の方が手を出す場合は、事前によく調べた上で、構成全体のバランスを意識して組むようにしてください。
グラボ補助電源つなぎ方の重要ポイントを総まとめ
- 補助電源はグラボの上部か側面にある端子に接続する
- ピン数に応じた正しいケーブルで接続することが必須
- 誤接続はショートや動作不良の原因になるため注意が必要
- 6ピンは最大75W、8ピンは最大150Wの電力供給が可能
- 6+2ピンケーブルは柔軟に6ピン・8ピンどちらにも対応できる
- PCIe電源ケーブルは電源ユニットの「PCIe端子」から接続する
- 二股ケーブルは1系統として扱うため高負荷グラボには不向き
- 8ピン×2や×3の構成では独立したケーブルで接続するのが安全
- 16ピン(12VHPWR)など新型端子は対応電源であることを確認する
- EPS(CPU用)とPCIe(GPU用)ケーブルの誤用は厳禁
- ケーブルは確実に奥まで挿し「カチッ」とはまるか確認する
- モジュラー電源は不要なケーブルを外せて配線がすっきりする
- 電源容量は構成全体を踏まえ余裕を持ったものを選ぶべき
- ケーブルの品質が低いと通電不良や発熱の原因となる
- 補助電源の接続状況は起動前に必ず目視チェックを行うべき